今回はCentOS7.2上にPostgreSQLをインストールする手順について見ていきます。
インストール方法はいろいろありますが、ここではyumを使用したインストール方法を紹介します。
yumはRedHat Enterprise LinuxやCentOS、Fedoraなどに搭載されているRPM(Red Hat Package Manager)パッケージの管理ユーティリティです。依存パッケージまで自動的にインストールしてくれて大変便利なユーティリティです。
yumでインストールするRPMパッケージはリポジトリと呼ばれる場所に格納されています。
まず、yumで使用するリポジトリの設定ファイルを入手します。(/etc/yum.repo.d/配下に置かれる「.repo」ファイル)
PostgreSQLのコミュニティでは、RPMパッケージとしてこの設定ファイルを提供しています。
設定ファイルのダウンロードは以下公式サイトから行えます。
http://yum.postgresql.org/
サイトにアクセスしたら、ダウンロードするPostgreSQLのバージョンを選びます。
ここでは9.5とするため、「9.5」と書かれたテキストリンクをクリックします。
続いて、ディストリビューションを選びます。
ここではCentOS7とするため、「CentOS 7 – x86_64」と書かれたテキストリンクを選ぶわけですが、クリックしてダウンロードするのではなく、テキストリンクを右クリックし、コンテキストメニューから「プロパティ」をクリックします。
上記の「アドレス(URL)」欄に記載されたアドレスをコピーして、メモ帳か何かに貼り付けておいてください。
リポジトリ設定ファイルのダウンロード
リポジトリ設定ファイルのダウンロードはwgetコマンドを使用します。パラメーターには先ほどメモ帳に貼り付けておいたURLを指定します。
# wget https://download.postgresql.org/pub/repos/yum/9.5/redhat/rhel-7-x86_64/pgdg-centos95-9.5-2.noarch.rpm download.postgresql.org (download.postgresql.org) をDNSに問いあわせています... 213.189.17.228, 217.196.149.55, 87.238.57.227, ... download.postgresql.org (download.postgresql.org)|213.189.17.228|:443 に接続しています... 接続しました。 HTTP による接続要求を送信しました、応答を待っています... 200 OK 長さ: 5460 (5.3K) [application/x-redhat-package-manager] `pgdg-centos95-9.5-2.noarch.rpm' に保存中 100%[======================================>] 5,460 --.-K/s 時間 0s 2016-04-30 11:43:42 (114 MB/s) - `pgdg-centos95-9.5-2.noarch.rpm' へ保存完了 [5460/5460]
もし、wgetコマンドを実行して「-bash: wget: コマンドが見つかりません」のようなメッセージが出力された場合は、wgetがインストールされていない可能性があります。
その場合は、以下コマンドでwgetをインストールします。
# yum -y install wget
RPMのインストール
ダウンロードが終わったら、次にRPMを以下のコマンドでインストールします。
# rpm -ivh pgdg-centos95-9.5-2.noarch.rpm 警告: pgdg-centos95-9.5-2.noarch.rpm: ヘッダー V4 DSA/SHA1 Signature、鍵 ID XXXXXXXX: NOKEY 準備しています... ################################# [100%] 更新中 / インストール中... 1:pgdg-centos95-9.5-2 ################################# [100%]
RPMのインストールが終わったら、pgdg-95-centos.repoファイルが「/etc/yum.repo.d/」配下にインストールされたかチェックします。「ls -l」コマンドで「/etc/yum.repo.d/」ディレクトリの中を表示してみます。
# ls -l /etc/yum.repos.d/
合計 32
-rw-r--r--. 1 root root 1664 12月 9 18:59 CentOS-Base.repo
-rw-r--r--. 1 root root 1309 12月 9 18:59 CentOS-CR.repo
-rw-r--r--. 1 root root 649 12月 9 18:59 CentOS-Debuginfo.repo
-rw-r--r--. 1 root root 630 12月 9 18:59 CentOS-Media.repo
-rw-r--r--. 1 root root 1331 12月 9 18:59 CentOS-Sources.repo
-rw-r--r--. 1 root root 1952 12月 9 18:59 CentOS-Vault.repo
-rw-r--r--. 1 root root 290 12月 9 18:59 CentOS-fasttrack.repo
-rw-r--r--. 1 root root 482 10月 21 2015 pgdg-95-centos.repo
「pgdg-95-centos.repo」ファイルが存在することが確認できます。
PostgreSQLのインストール
ここまでで、yumでPostgreSQLをインストールするための準備が整いました。
早速、yumコマンドを実行してみましょう。
# yum -y install postgresql95-server postgresql95-devel postgresql95-contrib ~ 省略 ~ インストール: postgresql95-contrib.x86_64 0:9.5.2-1PGDG.rhel7 postgresql95-devel.x86_64 0:9.5.2-1PGDG.rhel7 postgresql95-server.x86_64 0:9.5.2-1PGDG.rhel7 依存性関連をインストールしました: libxslt.x86_64 0:1.1.28-5.el7 postgresql95.x86_64 0:9.5.2-1PGDG.rhel7 postgresql95-libs.x86_64 0:9.5.2-1PGDG.rhel7 完了しました!
「yum install postgresql-server」コマンドを実行すれば、必要な依存パッケージも同時にインストールしてれくるので、必要ものは揃います。また、「postgresql-contrib」や「postgresql-devel」も便利なコマンドやアプリケーション開発に必要なヘッダーやライブラリが含まれているので、一緒にインストールしておきます。
以上で、PostgreSQLのインストールは完了です。